【離乳で大事なことは?】食べるスキルを身につけていくこと
いよいよ始まる離乳食が楽しみな反面、
- マニュアル通りに進められるかどうか不安
- 細かいルール通りにちゃんと進められるかどうか心配
- 好き嫌いなく食べてくれるかな
と、悩みがつきませんよね。
大切なわが子のために育児本やネットで離乳食について調べると、きっちりと決まった進め方が載っているから、その通りにしなくては!と気疲れしているかもしれません。
私は離乳の相談を1日で10件以上受けることもありますが、「2さじから進まない」「5mm角の人参を食べてくれない」とご相談いただきます。
でも、多くの場合「離乳で大事なこと」を意識しないで離乳食を作ろう、食べさせようとしています。
その離乳で大事なこととは「食べるスキルを身につけていくこと」です。
「食べるスキルを身につけていくこと」を意識して離乳食に向き合っていかないと、離乳を進めている途中で、ちゃんとできているのだろうか?という悩みが続いていきます。
この記事を読むことで、自分でも離乳食がちゃんとできるのか?という不安が解消され、本やネットに振り回されることのなく、心に余裕をもって離乳を進めていける道しるべを得られます。
赤ちゃんにとっても自分自身にとっても楽しい離乳食タイムとなるように、この記事をぜひお守りのように活用してください。
目次
離乳は食べる経験を積み重ねていくこと
そもそも何で離乳食が必要なのか?って考えたことありますか。
歯がないから?胃腸が未発達だから?どれも正解です。
離乳食は、赤ちゃんが母乳やミルクを飲む栄養補給から食事を食べる栄養補給に変えていくためのトレーニング食です。
離乳とは、成長に伴い、母乳又は育児用ミルク等の乳汁だけでは不足してくるエネルギーや栄養素を補完するために、乳汁から幼児食に移行する過程をいい、その時に与えられる食事を離乳食という
厚生労働省授乳離乳の支援ガイド2019年改訂版より一部抜粋
そして離乳というトレーニングでは、「食べる」経験から食べ方を学び、心とカラダを成長させていくことが目標になっています。
離乳の進行は、子どもの発育及び発達の状況に応じて食品の量や種類及び形態を調整しながら、食べる経験を通じて摂食機能を獲得し、成長していく過程である。食事を規則的に摂ることで生活リズムを整え、食べる意欲を育み、食べる楽しさを体験していくことを目標とする。
厚生労働省授乳離乳の支援ガイド2019年改訂版より一部抜粋
離乳はイチから順を追って(まるでエレベーターに乗っているかのように)進めていくことが目的ではなくて、食べ方をマスターしつつ食べることが楽しいと感じてもらうことが大切で、その助けとなるのが離乳食です。
食べることは生きること
人間は食べることができないと生命を維持することができません。
例えば、登山中に水や食料が無くなくなったら致命的!と言われるのは、食べられない状況が命に関わる重要なことだからですよね。
食べることって私たちは当たり前のようにやっていますが、生きることにつながっているんです。
赤ちゃんは食べるという生きるスキルを、離乳食を通してマスターしていきます。
当たり前過ぎて忘れていますが、食べることってとても大事なことなんです。
食べる機能は今から学習すること
赤ちゃんは生まれた瞬間から自分の生命を維持できるように、母乳が飲める機能を持って生まれてきます(原子反射のひとつ哺乳反射)。
一方で、食べる機能は持っていませんので、原子反射がなくなるまでに「食べる」というスキルを身につける必要があります。
食べ物を口に入れる、口を動かして咀しゃくする、飲み込む・・。
食べること全てのスキルを赤ちゃん自身が「食べる経験」から学習していきます。
だから成長に合わせていろいろな形態の離乳食を作っていくのですが、初めから上手にできる子もいれば、なかなかうまくいかない子、あまり興味がない子と個性がいっぱいです。
でも、離乳食で失敗とか間違っているなんてなくて、食べるという経験はすべて学びになります。
その経験をさせてあげられる環境をつくっていくことが、ママの役割です。
食べる経験が心やカラダを強くする
人間は雑食性なので、新しい食べ物に対して「食べても大丈夫?」と警戒をします(食物新奇性恐怖といいます)。
なので、離乳食でいろいろな食べ物を経験することは「こんなの見たことないけど何?」という赤ちゃんの警戒心を低くしていくことになります。
また、一緒にいる大人がおいしく楽しく食べることで食べ物や食べることに対する警戒心はやわらぎ、好き嫌いなく食べられることにつながります。
例えば、先日クリームパンのをみて「いらない」と言った息子が、おいしそうに私が食べているところをみて安心し、気が付くと笑顔で食べていました。
最初食べなかった理由は、カスタードクリームに使われていたバニラビーンズがブラックペッパーと思ったからだそうです(笑)。
初めての食べ物に対する警戒心が、周囲の環境づくりで警戒心がやわらぎ、一歩を踏み出した瞬間でした。
一口も食べなければ何の栄養にもなりませんが、その最初の一口に向かう判断は今までの食べる経験や環境が大きく影響します。
おいしいや楽しいの経験が、心やカラダを強くする一番の近道だと私は思います!
この時期からすでに食育が始まっているんです。
離乳の進め方はあくまでも目安
離乳食情報は参考
赤ちゃんは、ゼロからのスタートで生きるための食べるスキルをマスターしていきます。
ただ、初めての子育てで右も左もわからないのにいきなり離乳食を用意するのって難しいですよね。
だから、その時にはレシピや育児本を参考にして離乳食を作ってください。
でも、そのまま100%食べさせるものではありません。
食べる経験をするための目安にして、たくさん離乳食を経験して生きるスキルを身につけてもらってください。
もし、食べる経験をさせていく中で悩んだり迷ったりすることがあったら、専門家に相談できると安心できますよね。
食べた時に変な顔をしたら嫌いな食べ物なのか
「ヨーグルトを食べると眉間にしわを寄せて食べるんです」「ご飯以外のものを口にすると変な顔をするんです」というご相談を時々いただきます。
食べさせている時に神妙な顔をされたら苦手なのかな?と思ってやめようかな?と思いますよね。
でも、赤ちゃんは今食べるトレーニングをしている最中です。
お口を動かしたり、飲み込んだり、味や固さを覚えたりとやること盛りだくさんで必死なんです。
大人でも何か集中している時って表情まで意識していないから「怒っているの?」って思われることありませんか(私だけでしょうか・・)。
なので、お子さんの表情に惑わされることなく、食べることが楽しいという経験させてあげてください。
食べる経験値を上げて、生きるスキルを磨く
食べる経験をたくさんして食べられるものが増えていくということは、食べるスキルが磨かれていっていることです。
離乳食は生きるスキルを身につけるためのファーストステップです。
今から、「食べるスキルを身につけていくこと」と意識して離乳をスタートしましょう!
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